お役立ちコラム COLUMN
がん保険が必要な人とは?医療保険と何が違うの?
突然の病気やケガに備えて、頼りになるのが医療保険。
医療保険をさらに手厚くした「がん保険」は、今後のリスクに備えるため、必要性があるのかないのか検討する人も多いでしょう。
年齢とともにがん発症率は上がると言われており、平均寿命も昔に比べて高まっていることから、保険の見直しはとても重要です。
今回は、がん保険の必要性や、医療保険との兼ね合いなどについて、解説します。
がんの現状は?
がん保険は、男女ともに発症率の高い疾患であることから、必要性を検討するべき医療保険でしょう。
厚生労働省の「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況)」によると、令和2年の死因順位の第1位は、悪性新生物<腫瘍>となっています。
人数は 37 万 8356 人で、死因の27.6%を占めています。
亡くなった方の1/4以上が該当していることになり、身近な病気となっていることが分かりますね。
がん治療の費用目安
がんになると治療費はどれくらい必要なのか、気になるところですよね。
国立がん研究センター検診研究部「がんによる生涯医療費の推計と社会的経済的負担に関する研究」から、がん治療費の目安(5年間のがんの医療費)を見てみましょう。
【各がんの平均医療費】
・食道がん(567.7万円)
・大腸がん(483.8万円)
・肝胆巣膵がん(447.3万円)
・肺がん(374.0万円)
・乳がん(平均250.5万円)
・胃がん(243.7万円)
状況によりますが、がんを患うと長期的な治療が必要となり、入退院を繰り返すケースも珍しくありません。
治療費は社会保障制度ですべてカバーできるとは限らないため、がん保険は必要性の高さが注目されています。
がん保険の保証内容
がん保険は、さまざまながん治療費をカバーできるように考えられた保障です。
保障内容は保険会社によって違いますが、多くは次のような項目内容で対応しています。
項目 | 保障内容 |
診断給付金(治療給付金) | 「がん」と診断した時に給付する一時金 |
入院給付金 | がんで入院した時
※1日○○円~ |
通院給付金 | 通院でがん治療をする時
※1日○○円~ |
手術給付金 | がんで手術した時
手術の種類や入院給付金日額で給付金が変わる |
放射線治療給付金
抗がん剤治療給付金 |
放射線や抗がん剤治療など、保険会社が定める治療を受けた時 |
先進医療給付金 | 先進医療でがん治療した時 |
女性特約 | 女性特有がんの手術や治療を受けた時 |
がんを患ったからといって、必ず手術をするとは限りません。
年齢や体の状態、状況を見て、通院治療や入院をして抗がん剤治療や放射線治療をする場合があります。
そのため、がん保険は、がん治療に関するあらゆる保障ができるように設計されています。
医療保険とは?がん保険のどちらも必要?
もしもに備えて医療保険に加入している人は多いと思いますが、わざわざがん保険に申し込む必要があるのか悩んでいませんか?
まずは、2つの保険の違いを確認していきましょう。
医療保険 | がん保険 | |
保障範囲 | 病気やケガなど | がん治療全般 |
入院・通院対象 | 病気やケガ全般 | がん治療限定 |
入院・通院の上限日数 | 上限あり | 上限なし
※保険会社による |
がん診断給付金 | なし | 一時金あり
※保険会社による |
先進医療 | がん含む治療であり
※別途特約の契約が必要な保険会社あり |
がんに限り保障 |
2つの保険は保障内容が違うので、手厚い保障を望むのであれば「医療保険+がん保険」の両方に加入しておいた方が安心です。
がん保険のメリット・デメリット
がん保険は、治療費や保障内容から必要性が高いことが分かりましたが、デメリットもあることを忘れないようにしてください。
がん保険の加入で迷っているなら、メリットとデメリットを確認しておきましょう。
メリット | ・がん診断給付金(一時金)が受け取れる
・入院数に上限なしの保険があり不安なく過ごせる ・高額治療の請求も安心 ・長期療養も安心して過ごせる ・本格的な治療前でも、まとまったお金が給付される(一時金など) |
デメリット | ・保障内容は「がん」のみ
・がん保険加入後、一定期間保障が効かない(免責期間) ・年齢によって保険料が高くなる ・告知内容によってがん保険に加入できない |
がん保険は一般的に診断給付金があり、「がん」と診断された時点で一時金を受け取れます。
「治療が始まっていない」「どんな治療方法をするか分からない」という状態でも受け取れ、一時金の使い方は本人の自由です。
生活費の足しに使っても問題ありません。
ただし、がん保険に加入してから一定期間は、免責期間(保証が受けられない期間)があります。
多くの保険会社は90日間を免責期間としているので、その間にがんと診断された時は自己負担になるので注意が必要です。
どんな人にがん保険が必要?
がん保険はメリットもあれば、保障内容や保険料に関するデメリットもあります。
がんを発症する人の割合は高く、必要性が高い保険のひとつですが、本当に必要なのか考えますよね。
どんな人に必要なのか、がん保険の特徴を踏まえて考えてみましょう。
必要な人 | ・自営業やフリーランスの人
・長期療養が心配な人 ・万が一に備えたい人 |
不要な人 | ・金銭的にゆとりがある人、多額の貯蓄がある人
・がん以外の疾患も心配な人 |
がん保険は働けなくなった時の生活費をカバーする目的もあります。
自営業やフリーランスで、社会保険に加入していない人など、傷病手当や障害手当金など公的な社会保障が受けられない人は必要性が高いでしょう。
まとめ|がん保険が必要か迷った時は相談を
がん保険の必要性は、その人の状況によって異なります。
しかしながら、がんになる可能性は誰しもが持っていますし、確率も低いわけではありません。
適切な治療を安心して受けるため、家族の負担をかけないためにも、ぜひ検討をしましょう。
がん保険はさまざまな商品がありますので、どの保険が良いか判断が難しい部分もあります。
ぜひ保険のプロの意見を参考に、最適な保険を選んでください。
コラム監修者 プロフィール
磯崎学(イソザキマナブ)
中央大学法学部にて政治学科を学ぶ。
大学卒業後、三井海上火災保険会社で保険営業の基礎を学ぶ。
その後、平成10年12月より独立し、現在、自社の代表を務める。
代理店として25年以上の実績があり、企業への保険提案を得意としている。
事故処理の経験も豊富。
■保有資格
損害保険大学課程コンサルティング資格、損害保険募集人一般資格(通称:損保一般)、生命保険専門資格