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事故を起こすと保険料はいくら上がるの?事故の種類は関係ある?

同じ補償内容でも、保険会社によって保険料は異なります。
そのため、民間の自動車保険に加入する場合は複数の保険会社から見積りをもらい、保険料を比較してから選ぶ方も多いのではないでしょうか。
しかし、事故を起こしてしまうと、保険料は高くなります。

今まで安く抑えられていた保険料が高くなる、というのは抵抗があるかもしれませんが、高くなる仕組みを知っておくことで、より事故に気をつけようという意識も芽生えるかもしれません。
ここでは、事故によって保険料が上がる仕組みを解説していきます。

事故を起こすと保険料はいくら上がるの?事故の種類は関係ある?

事故によって保険料が上がる仕組みについて

保険に加入する際には、必ず現時点の「等級」を申告しなければなりません。
申告しなければならない理由は、保険料に「等級」が関与しているからです。
ここでは、耳にしたことはあっても、いまいち内容が分かりづらい「等級」に関して説明していきます。

自動車保険業界における「等級」について

保険料は、車種や免許証の色、年齢などさまざまな項目によって変わりますが、その項目の中の1つに「等級」があります。
保険業界では、契約者が事故を起こすリスクを判断するため、過去に事故を起こしたことがあるか、保険金を受け取ったことがあるかなどの経歴が分かる「等級制度」を設けています。

これはノンフリート等級とも呼ばれていて、1等から20等まであります。
20等級が一番高い等級で、等級が高ければ高いほど、事故のリスクが低い、つまり保険を利用する可能性が低いと判断されるため、保険料が安くなるのです。

逆に、等級が低いと「事故を起こしやすく、保険を使う可能性が高い」と判断されることから保険料も高く設定されます。

保険事故を起こすと等級は下がる

等級は、1年間無事故であれば1つ上がります。
たとえば、8等級からスタートした場合、1年間保険を使わなければ9等級になるので、その分保険料も安くなるという仕組みになっています。

しかし、保険金支払い義務が発生する保険事故を起こすと、一気に3等級も下がることもあるのです。
たとえば、8等級の人が3等級も下がるレベルの保険事故を起こしてしまうと、翌年度からは5等級となり、その分保険料が増額することになります。

この仕組みは、特定の自動車保険会社だけが採用しているわけではありません。
すべての自動車保険会社で採用されていますから、たとえば事故を起こした翌年に保険会社を変えたとしても、等級は変わりません。

等級を左右する事故の種類とは?

事故を起こして保険金支払いが生じた場合は等級が下がりますが、何等級下がるかは、事故の種類によって変わります。

1等級下がる事故について

保険金の支払いが生じても、偶発的な事故や自分に過失がない事故であれば、下がるのは1等級だけとなります。
具体的には、以下のような事例が挙げられます。

・自然災害による浸水や水没
・飛び石や落下物との衝突による破損
・火災や爆発による破損
・いたずらによる破損
・第三者の破壊行為や暴力行為による破損
・盗難による破損

その他、自分が関係していない、偶発的な事故によって発生した損害は1等級のみ下がります。

3等級下がる事故について

3等級下がるのは、事故の原因が自分にある、もしくは自分にも過失がある事故です。
「対人賠償責任保険」「対物賠償責任保険」「車両保険(※)」のうち、いずれかの保険を使った場合が該当となります。
たとえば、「信号待ちで止まっている車に追突した」「自転車をはねて死傷させた」「壁に激突した」というように、自分で運転をしていて交通事故を起こすと3等級下がります。

また、相手の過失によって起こった事故であっても、上記の保険を使った場合は3等級ダウンとなるので、もらい事故にも注意しましょう。

事故によっては等級が下がらないこともある

実は、事故によっては等級が下がらないこともあります。
それは「搭乗者傷害保険」や「人身傷害保険」、その他特約だけを利用した場合が該当します。
たとえば、壁に車をぶつけたとしても、壁が破損せず、自分の車も修理不要だった場合は搭人身傷害保険しか使わないので、等級が下がることはありません。

事故によって保険料はどれぐらい上がる?

事故によって保険料がいくら上がるのか、気になる方も多いかもしれません。
本来であれば明確にいくら上がるかを紹介できるといいのですが、等級ごとに割引率が異なり、さらに保険会社によっても保険料の設定が異なるため、正確な保険料は各保険会社に確認するしかありません。

ただし、あくまでも目安になりますが、3等級下がってから元の等級に戻るまでの場合を比較すると、4年で100,000円から110,000円もの差が出ると言われています。
つまり、1年で計算すると約20,000円ほど保険料が上がってしまう計算です。

事故を起こすリスクがあるからこそ保険加入は重要

事故を起こすと保険料はどうしても増額することになりますが、それだけ事故によって支払う賠償金は高額であるということです。
保険料が上がるとなると、「もったいない」「損をする」という気持ちになるかもしれません。

しかし、保険がなければ、その分をすべて自費で払うことになるので、たとえ上がってしまったとしても保険には必ず加入しましょう。

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コラム監修者プロフィール

コラム監修者 プロフィール 磯崎学(イソザキマナブ)

磯崎学(イソザキマナブ)

中央大学法学部にて政治学科を学ぶ。
大学卒業後、三井海上火災保険会社で保険営業の基礎を学ぶ。
その後、平成10年12月より独立し、現在、自社の代表を務める。

代理店として25年以上の実績があり、企業への保険提案を得意としている。
事故処理の経験も豊富。

■保有資格
損害保険大学課程コンサルティング資格、損害保険募集人一般資格(通称:損保一般)、生命保険専門資格